建築家,Mathematica を使って予備設計
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デザイナーが心に思うものを描き出すのにコンピュータはすでに広く用いられていますが,デザイナーがそこから選んだり修正したりできる形(描画)をコンピューターで実際に生成するのはどうでしょうか.これこそが,カーネギーメロン大学で建築学の博士号を取得するための研究でChris Carlson氏が設計し,Mathematica を使って実装した言語Grammaticaに潜むアイディアなのです.「Grammaticaは,スタイルや設計の標準を記述し,指定されたスタイルの例を作成することのできるシステムとして機能するための言語を取り込むことにより,予備設計のパラダイムを実装します.システムの背後では,Mathematica が設計の記述で生じる非線形制約条件を解き,フロントエンドでは Mathematica が結果を描画します」とCarlson氏は説明しています.
例えば,Grammaticaは特定の時代で主流となった窓の設計を生成することで建築家の助けとなり得ます.Carlson氏は,初期ゴシック建築の窓のすかし模様に見られる形状(アーチ,円,茨),および歴史的例の中でこれらのすかし模様が担っている関係を100文の文法的プログラムとして記述することにより実際にテストしました.その後,フランスのセーヌ・エ・マルヌ県のモーにあるサン・テティエンヌ大聖堂のすかし模様の最も外側のアーチを基に,Grammaticaは窓に合ったデザインを生成しました.
Grammaticaは歴史的なスタイルを記述する他,ユーザにより指定された制約条件と規則に基づいて,別の間取図を作成したり,レンガの積み方,標識システム,家の枠組みを設計したりすることもできます.「Grammaticaのこのような機能が,デザインプロセスにおいてコンピュータをより重要なパートナーとしているのです」とCarlson氏は述べています.
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