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gridMathematica を使って太陽系外惑星を探索

チャレンジ

高度なベイズ統計アルゴリズムを使って,隣接する恒星を取り巻く複数の惑星の検出を簡単にする.

解決方法

安価なマルチコアPC上でも,gridMathematica を使った並列計算によりスピードアップでき,目標が達成できた.

利点

  • 惑星形成モデルをテストするための惑星およびその軌道についての統計を提供.
  • 生命活動の検出を目的とした追跡調査のために,ハビタブルゾーン(生命居住可能領域)の惑星を挙げる.
Phil Gregory氏
「安価な8コアPCでも,コードをgridMathematica にポートすることで7倍スピードアップすることができました.並列計算をこんなに簡単に使うことができるようになるとは思いませんでした.」

Phil Gregory氏はブリティッシュコロンビア大学の物理学・天文学の名誉教授です.氏は,近くの恒星の軌道を回る惑星により引き出されるわずかな信号を検出し,それを明らかにするための高度なベイズ統計ツール開発の第一人者です.天文学者はすでに,300個を超える太陽系外惑星を発見しています.その大部分が木星のような巨大ガス惑星です.現在見付けようとしているのは,ホストとなる恒星のハビタブルゾーンにある地球のような惑星です.

Q:先生は研究でどのように Mathematica をお使いですか?

A:私の最新アルゴリズムには,パラレルテンパリング法,マルコフ連鎖モンテカルロ法,焼きなまし法,遺伝的アルゴリズムを含む,利用できるすべての最先端の数値計算ツールが使われています.Mathematica はこれらのツールを作成しその性能を可視化するための素晴らしい環境を提供してくれます.このすべてを使うことで,4つの恒星だけのデータの再分析で3つの別の惑星を発見することができました.

Q:gridMathematica は先生の研究で重要な役割を果たしていますか?

A:最近,コードをgridMathematica にポートすることで,安価な8コアのPCで7倍のスピードアップを実現することができました.並列計算をこんなに簡単に使うことができるようになるとは思いませんでした.私たちは,現在惑星を1つ持つことが分かっている恒星のほとんどには複数の惑星があるのではないかと思っています.gridMathematica を使って複数の惑星を同時に探索できるようになりました.このことにより,近くの恒星の惑星環境についてもっと多くのことが分かるようになります.

Q:Mathematica のどのようなところが一番気に入っていらっしゃいますか?

A:もともとは授業での必要性から Mathematica を使うようになったのですが,Mathematica で研究プログラムのコードを書きデバッグした方が,FORTRANを使ったときより20倍早くできることに間もなく気がつきました.その結果,今では研究できる問題の範囲と複雑さが大幅に拡大されました.Mathematica は数学,計算,可視化,文書作成,授業のための最高の一体型環境であるため,大変便利で時間の節約にもなります.

詳細:
  • 一つの計算環境を研究にも授業にも利用
  • 既存のプログラムに最小限の変更を加えるだけで計算力が大きく向上
  • 可能性の拡大

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