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電気工学

System Modelerを使うと,電気回路,パワーエレクトロニクス,電気機械を構築し,研究することができます.電気と機械のコンポーネントを組み合せて完全なシステムモデルを構築したり,解析タスクを実行して性能を測定したりできます.

全波ブリッジ整流器

多くのアプリケーションでは直流(DC)が必要です.しかし,電線を介して直流を伝送することは交流(AC)と比較していくつかの欠点があります.ACは変圧器で使用でき,より効率的な電力変換と伝送が可能です.コンセントの電気をDC回路で使用するには,まず直流に変換する必要があります.これを行う方法の一つに全波ブリッジ整流器を使用するというものがあります.

この例を実行するためには以下が必要です.

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モデル

全波ブリッジ整流器には,順方向ダイオードが4つ含まれている.電源の極性に応じて,電流はダイオードのうちの2つを流れる.これにより,電源の極性に関係なく電流は正のピンからのみ負荷に入る.全波ブリッジ整流器ではAC側の変圧器を使用してコンセントからの電圧を低下させ,DC側のコンデンサを使用してダイオードブリッジからのリップルを平滑化する.

回路を理解する

回路を通る電流の流れをよりよく理解するために,System Modelerの動的ダイアグラムとMathematicaを使用して視覚化することができます.

動的ダイアグラム

シミュレーション結果に基づいてダイアグラムをアニメーション化します.

青い矢印は電流が負荷に入る前の方向を示し,赤い矢印は電流が負荷を通過した後の方向を示す.ダイオードがソース極性に基づいて切り替わる様子に注目のこと.このアニメーションはSystem Modelerの動的ダイアグラムを使用して作成され,Mathematicaで可視化された.

調査と比較

System Modelerを使用するとさまざまな設計上の決定が簡単に比較できます.ここでは回路内での2種類の異なる順方向ダイオードの使用を比較します.

ダイオードごとに電圧の閾値が異なるため,負荷に対する電圧プロファイルも異なります.

設計の決定

System Modelerを使用してさまざまなシナリオを試し,ニーズに基づいた設計上の決定を行います.

整流器からの出力リップルを記述するための静的方程式はいくつか存在します.通常の整流器には動的コンポーネントのコンデンサが含まれているため,これらの方程式は近似値に過ぎません.System Modelerを使用してシステムのシミュレーションを行うと,出力リップルのより正確な値が得られます.シミュレーション値はMathematicaを使って近似値と比較することもできます.

シミュレーションによる負荷上のリップル電圧.計算結果は となる.

回路パラメータとリップル振幅の静的近似は になります.ここで は負荷抵抗, はコンデンサフィルタ容量, は電源電圧周波数です.上記のシミュレーションと同じパラメータを使用すると,静的近似により1.45Vの電圧リップルが得られます.静的近似はリップルが十分に小さい場合にのみ有効です.

現実的な回路モデルを作成する

System Modelerの組込みコンポーネントを使うと,パワーエレクトロニクス機器のモデルが簡単に作成できます.