ユークリッド(Euclid)原論
世界最古でこれまでで最も影響力のある数学論文の一つに,古代ギリシャ時代のアレクサンドリアの数学者ユークリッドによる13巻の書籍「原論」(Elements)がある.「原論」で説明された構造は,Wolfram言語のGeometricSceneを使って表現し,RandomInstanceを使って可視化することができる.
第1巻の命題1は,任意の2点 と
があるとき,
と
を2つの頂点とした正三角形が作成できるというものである.半径が
と
の間の距離に等しい,
と
のそれぞれを中心とする2つの円を描く.すると交点
がその正三角形の3つ目の頂点になる.
第1巻の命題22は, であるような任意の正の数量
,
,
について,辺の長さが
,
,
の三角形があるということによって,命題1を一般化している.
であるような正の数量
,
,
をランダムに選ぶ.
構造は次のように進む.点 ,
,
,
をこの順で通過する直線を構築する.このとき
と
は
,
と
は
,
と
は
離れている.
を中心として
を通過する円と,
を中心として
を通過する円を描く.もし
がこれらの円が交わる点の一つならば,
は
から
離れ,
は
から
離れ,
は
から
離れている.したがって点
,
,
はそのような三角形を形成する.